
ミニマルアートと呼ばれる彫刻や絵画があります。作品自体の装飾性を極力排除するだけでなく、作品から説明的な部分をできる限り削ぎ落したアートといわれています。
ミニマルという言葉は「必要最小限」を表す形容詞ですから、まさにその通りといえるでしょう。とはいうものの、装飾性や説明的なもののないアートが、ほんとうにアートなのか。疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。

そんな疑問には、たとえば「白い砂の波」が答えというか、ヒントを与えてくれそうです。アート自体には装飾性も説明性もありませんが、そのミニマル作品が置かれた空間との調和がアートの世界を作り出している。それがミニマルアートなのです。
まあ、あんまり理屈っぽくなるよりも、ミニマル作品を飾った壁や部屋を想像してみてください。きっとその作品のなかにいる自分を見つけ出せるに違いありません。
あるいは、ミニマル作品のなかに包み込まれていく夢のような世界が広がるかも。もしかすると、部屋そのものがミニマル作品になってしまうかもしれません。

シンプルであるからこそ、押し付けてくる主張など感じることがありません。それゆえに見る側の自由な、制約のない想像が広がっていく。それを感じられるようになったら、もうミニマルアートのとりこになっていることでしょう。同時に、見る側の心や感性がミニマルアートの一部になってさらに広がっていきます。
さあ、そこにしかないミニマルアートの世界を描いてみてください。