
黄昏時に西の空を見上げると、ひと際明るく輝く星が見えます。金星であり、いわゆる宵の明星です。地球が含まれる太陽系の惑星は8つありますが、肉眼でも見つけやすいのはこの金星でしょう。
ところで太陽系惑星は8つと書きましたが、2006年までは9つでした。太陽に近い惑星から順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、そして冥王星です。冥王星が惑星から外れた理由は、早い話が惑星とするには大きさが足りないということで、今では準惑星とされています。また、宇宙は今から138億年前に起きたビッグバンにより誕生したといわれていますが、太陽系は45~46億年前に誕生しました。

それはともかく、肉眼ではなかなかわからない太陽系惑星の姿も、天体望遠鏡や宇宙探査機などの映像によって、まるで目の前にあるかのように確認することができます。
その姿はさまざまですが、最も特徴的なのは土星でしょう。大きな環(わ)を持つ独特の星で、その神秘的な美しさは太陽系だけでなく、宇宙全体でも出色といえるのではないでしょうか。

美しさでいえば、最も外側にある海王星も外せません。地球からの距離が離れているため肉眼では観測できないものの、ボイジャー2号が撮影した画像を見ると、きれいな水色をしています。地球などとは異なるガス惑星で、氷などの割合が大きく巨大氷惑星とみなされています。海王星という名前は英語のネプチューン、すなわちローマ神話の海の神の名から来ているものであるのも納得がいきます。
海王星より内側にある天王星もガスと氷の惑星で、やはり水色をしています。大きさは木星、土星に次ぐ3番目の大きさで地球の最も近い軌道を通るときには肉眼でも見えることがあるとか。

そうはいうものの、太陽系惑星の不思議な姿や魅力は、肉眼ではわかりません。ボイジャーのような宇宙探査機による画像でじっくりと楽しむのがおすすめです。ちまちました時間ではなく、悠久の宇宙時間のなかで過ごしてみてはいかがでしょう。